看護士のための人工呼吸器備忘録

臨床工学技士の備忘録でーす。

正常な呼吸・異常な呼吸編

人工呼吸を理解するためには、正常な呼吸と異常な呼吸を理解しておく必要性があると思います。

 

正常な呼吸

呼吸数

精神的な影響も受けますが、1分間に12回~20回

高齢者になると呼吸も浅く呼吸回数が多くなるイメージ

 

呼吸音

左右差や呼吸音の減弱、副雑音がないか確認

 

呼吸リズム

呼吸リズムは規則的

吸気と呼気の割合は1:1.5~2

 

異常な呼吸

頻呼吸

1分間に25回以上の呼吸

呼吸回数が換気量も増大します。

肺炎、呼吸不全、アルカローシス、発熱などが見られます

 

無呼吸

安静呼気位で呼吸が停止した状態をいいます

睡眠時無呼吸症候群、迷走神経刺激や頸動脈洞反射による無呼吸などがあります

 

下顎呼吸

終末期にある患者さんの呼吸状態について調べたみたもののどうやら呼吸生理学的にはあまりよく分かっていないようです
呼吸のときに下顎は動くのですが、胸郭はほとんど動いていないため、客観的にはほとんど一回換気量が確保できていないと考えられています。しかし動物実験では、一回換気量は意外にもしっかりと確保できているという報告もあります。ただ、有効な「呼吸」が行われているのかどうかはいまだに定かではありませんし、ヒトを対象にした臨床試験の踏み込めない領域でもあります